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【高精度加工を実現】マシニング加工の精度を左右する5つのポイント

はじめに

 

マシニング加工は、金属部品の製作において欠かせない重要な加工方法です。
特に装置部品・精密金型・治具などの分野では、
「どれだけ高い精度で加工できるか」が品質の大きな分かれ道になります。

 

しかし実際の製造現場では、

 

「同じ図面でも仕上がりに誤差が出る」
「加工精度が安定しない」
「どの会社に依頼すれば高精度に仕上げてもらえるのか分からない」

 

といった悩みを持つ発注担当者も少なくありません。

 

この記事では、大阪府堺市で金属加工を行う製造会社である“KATAGIRI WORKS”が、
現場で培った経験をもとに「マシニング加工の精度を左右する5つのポイント」について解説します。
発注する際に押さえておくべきチェックポイントとしても参考になる内容です。

 

1. マシニング加工の精度を決める要因とは

 

マシニングセンタは、回転する工具で金属を削り出し、プログラム通りに形状を作る加工機です。
見た目はシンプルな動きでも、加工精度を左右する要素は多岐に渡ります。

代表的な要因としては次の5つが挙げられます。

 

➀加工機の性能(リニアガイド・主軸精度・制御安定性)
➁使用する工具の状態(摩耗・振れ・刃先形状)
➂治具の剛性と位置決め精度
➃加工環境の温度変化
➄加工プログラムの設定(送り速度・切削条件・補正値)

 

これらのうちどれか一つでも管理が甘いと、μ(ミクロン)単位の誤差が生まれ、最終製品の品質に影響します。

 

2. 設計変更にも柔軟に対応できるのがマシニング加工

 

マシニング加工は、設計変更が発生しても柔軟に対応できる点も大きな強みです。

加工データは3DCADやCAMで作成されるため、形状が一部変わってもプログラムを修正するだけで再加工が可能。
「試作段階で形状を微調整したい」「取付け位置を変更したい」といった要望にもスピーディーに対応できます。

 

特にKATAGIRI WORKSでは、設計担当者からのデータ変更依頼にも即日対応できる体制を整えています。
設計〜加工〜測定まで社内で一貫管理しているため、図面修正後の再加工もスムーズで、
「試作1個の仕様変更にも応じてくれる」と評価をいただくケースも多くあります。

 

3. 高精度を実現する5つのポイント

 

では、実際にKATAGIRI WORKSがどのように高精度な加工を実現しているのか。
現場で徹底している5つの管理ポイントを紹介します。

 

➀温度管理と環境整備

金属は、温度によってわずかに膨張・収縮します。
たとえば鉄の場合、1メートルの長さでわずか10℃温度が変わるだけでも、0.012mmの変化が生じることがあります。

このわずかな変化が、精密加工の世界では“誤差”として積み重なります。

 

そのため、

 

・加工室の温度を一定に保つ
・加工機のウォームアップ運転を徹底
・測定室を別室に設け、温度変化の影響を最小限に

 

上記の環境管理をルール化することで季節や時間帯による寸法バラつきを防ぎ、
年間を通じて安定した精度を維持しています。

 

➁工具選定と定期交換

マシニング加工では、工具の摩耗や刃先の状態が仕上がりを大きく左右します。
刃がわずかに摩耗しているだけでも、面粗度の悪化や寸法誤差が発生します。

 

被削材(アルミ・鉄・ステンレス・銅など)によって最適な工具素材やコーティングが異なるため、
材料別に工具条件をデータベース化することが重要となります。

 

また一定の加工量に達した工具は、使用時間に関係なく交換が必要です。
「まだ使えるかもしれない」という感覚的な判断を排除し、常に安定した品質を維持します。

 

➂治具精度と段取り管理

いくら機械や工具の精度が高くても、治具の剛性や位置決め精度が低ければ意味がありません。
加工中にわずかでも治具がたわむと、寸法ズレやバリの発生に繋がります。

 

KATAGIRI WORKSでは、

 

・治具設計を社内で行い、剛性を確保
・原点位置をデジタル測定器で確認
・部品の取付け・固定工程を標準化

 

これにより、段取りごとの再現性を高め、ロット間での誤差を限りなくゼロに近づけています。

 

➃加工プログラムの最適化

マシニングセンタの動きは、すべてNCプログラムで制御されます。
切削条件(回転数・送り速度・切り込み量)が最適でなければ、工具の負担や熱変形が起こり、仕上がりに影響します。

 

KATAGIRI WORKSでは、各製品ごとに「トライ加工」を行い、実際の切削データから最適な条件を算出して、
加工時間・面粗度・寸法安定性を総合的に判断してプログラムを微調整しています。

 

結果として、装置部品の平面度0.01mm以下、穴位置精度±0.005mmといった高精度加工を安定的に実現可能としています。

 

➄測定とフィードバック体制

「加工が終われば終わり」ではなく、測定→分析→フィードバックのループを回すことが品質向上の鍵です。

 

そのため品質向上のために、

 

・三次元測定機(CMM)による寸法測定
・投影機・マイクロメータによる微小寸法の検査
・測定結果をデジタルデータ化し、加工条件に反映

 

KATAGIRI WORKSでは、これらのサイクルを採用しています。
誤差傾向を把握して次の加工に反映させることで、精度の再現性を継続的に高めることができます。

 

4. 品質を支える社内体制

 

KATAGIRI WORKSの特徴は、「加工から検査までを一貫して社内で行う体制」です。
加工工程を外注せずに完結できるため、品質の安定と情報共有のスピードが格段に向上しています。

 

 

・CAD/CAMオペレーターによるプログラム検証
・加工者と検査担当のダブルチェック
・日々の加工結果をデータベース化し、次工程へ共有

 

こうした取り組みにより、図面通りの精度を再現するためのPDCAが社内で確立されています。

 

5. よくある課題とその対策

 

■よくある課題


・寸法誤差が出る
(原因)温度変化、工具摩耗 →(改善策)加工環境の温度一定化、工具交換ルール化

 

・面粗度が悪い     
(原因)切削条件や工具摩耗 →(改善策)条件最適化、仕上げ専用工具の使用

 

・穴位置がズレる     
(原因)治具精度不足、段取り不良 →(改善策)高精度治具と原点管理の徹底

 

・ロットごとにバラつく
(原因)加工条件の再現性不足 →(改善策)加工データの履歴管理・再設定

 

発注前にこれらの対策が整っているかを確認することで、依頼後のトラブル防止や品質安定化に大きく役立ちます。

 

6. まとめ

 

マシニング加工の精度を高めるためには、単に高性能な設備を導入するだけでは十分ではありません。

 

「設備の性能」だけでなく、、加工環境・工具・治具・測定・そして人の技術力が一体となって初めて、
μ(ミクロン)単位の安定した高精度の品質を実現することができます。

 

そのため、

 

・温度変化の影響を抑えるための環境安定化
・加工再現性を高める治具精度と段取りの徹底管理
・摩耗や刃先の状態まで管理した工具メンテナンス
・三次元測定機による品質フィードバック体制の構築

 

これらを「毎日のルーティン業務」として運用しています。
単発の高精度ではなく、“どのロットでも同じ品質を再現できる体制”を整えていることが重要です。

そしてKATAGIRI WORKSでは、その体制を整えています。

 

設計データ(3D CAD)との連携によるプログラム修正もスピーディーで、試作段階の形状変更や急な納期対応にも柔軟に対応可能です。

 

その結果、

 

「試作1個から量産100個まで同じ精度で仕上がる」
「設計変更にも即応してくれる」

 

といった声を多くの企業様からいただいています。

 

製造品質を支える“見えない努力”の積み重ねこそが、KATAGIRI WORKSのマシニング加工の価値です。

これらを徹底し、試作から量産まで一貫して高精度なマシニング加工を提供しています。

 

「設計変更にも柔軟に対応してくれる加工会社を探している」
「高精度部品を安定して供給できるパートナーを見つけたい」

 

そんな方はぜひ一度、大阪府堺市にある“KATAGIRI WORKS”にご相談ください。