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【失敗しない加工会社選び】マシニング加工の依頼先を見極める7つの判断基準

はじめに

 

マシニング加工は、精密部品・産業装置部品・治具・機構部品など、多くの製造業で欠かせない加工方法です。

高精度・短納期・複雑形状の部品を効率的に加工できる一方で、依頼先の選択次第で品質、コスト、納期のすべてに影響します。

現場では以下のようなトラブルが少なくありません。

 

  • 図面は渡したのに、加工会社で仕様が正しく理解されていなかった

  • 納期は守られたが、精度が不足して再製作になった

  • 追加費用が発生し、予算が大幅にオーバーした

 

これらの多くは、発注時の情報不足や認識のズレが原因です。単純に「加工会社が悪い」というより、発注者側の準備不足が招くケースが多いです。本記事では、大阪府堺市でマシニング加工を行うKATAGIRI WORKSが、「発注前に必ずチェックすべき7つの判断基準」をプロの視点で整理しました。初めて依頼する方はもちろん、発注担当者・購買担当者、機械設計者、小ロット製造を行う企業経営者にも役立つ内容です。

 

「発注前に必ずチェックすべき7つの判断基準」

 

① 設備構成と生産体制は依頼内容に合っているか

 

マシニング加工は、使用する設備の特性によって得意不得意が大きく分かれます。

例えば、単純な平面加工や中難度の部品であれば3軸マシニングでも十分ですが、多面加工や複雑形状の部品は5軸以上のマシニングが必要です。また、材質や形状によっては難削材専用の設備が必要な場合もあります。

 

具体例

  • 3軸マシニング中心の会社 → シンプル形状や中難度の平面加工に向く
  • 5軸マシニング保有会社 → 曲面や多面加工、特殊形状に対応可能

  • 設備台数が多い会社 → 短納期・量産向き

  • 難削材専門設備がある会社 → SUS・チタン・インコネルなど高硬度材に強い

 

設備が依頼内容に合っていない場合、加工時間の増加・コスト上昇・納期遅延・精度不良といったリスクが高まります。

事前に設備構成や実績を確認し、同じような部品を過去に加工した経験があるかをチェックすることが重要です。

 

 ② 温度管理・工場環境が整っているか

 

マシニング加工では、温度や工場環境の影響が非常に大きく、加工精度を左右します。

金属は温度変化によって膨張や収縮を起こすため、温度や湿度が安定していない環境では、

精密部品であれば数ミクロン単位の誤差が生じることもあります。

 

チェックすべきポイント

  • 夏・冬で加工精度に差がないか

  • 温度・湿度管理は徹底されているか

  • 高精度部品の加工実績があるか

 

温度管理が整った環境では、微細な寸法変化を最小化でき、長時間の加工でも安定した精度を維持できます。

また加工中に発生する熱変形や工具摩耗もコントロールされるため、品質ばらつきを防ぐことが可能です。

 

③ 工具・治具管理が徹底されているか

 

マシニング加工は、設備だけでなく工具や治具の管理レベルが精度に直結します。

摩耗した工具を使用したままだと、面粗さの悪化や寸法不良の原因になり、特に中ロット以上では量産安定性に影響します。

 

具体例

  • 工具摩耗の交換ルールが明確か

  • 治具が加工内容に合わせて最適化されているか

  • 工具の種類や寿命が体系的に管理されているか

 

例えば深穴加工や薄肉部品加工では、刃先の選定や治具の固定方法次第で変形や振れ幅が大きく変わるため、管理体制の整った工場であることが重要です。工具・治具管理が徹底されている会社は、量産でも安定した品質を提供できます。

 

④ 測定設備と検査体制

 

マシニング加工で高精度を保証するには、測定設備と検査体制の確認が欠かせません。

三次元測定機(CMM)や高度な測定ツールを保有しているかどうかで、寸法保証の信頼度は大きく変わります。

 

チェックポイント

  • 測定専任スタッフがいるか

  • 三次元測定レポートを提出可能か

  • 公差ごとに測定方法を使い分けられるか

 

測定設備が充実している会社では、加工後の寸法誤差を事前に把握でき、クレームや再加工リスクを大幅に低減できます。

特に高精度部品や微細部品の場合、測定体制の整備は品質安定化の必須条件です。

 

⑤ 技術者が提案してくれるか

 

加工会社を選ぶ際、単に図面通り加工するだけでなく、技術者の提案力があるかどうかも重要です。

加工方法や工具選定、公差の最適化など、最適な加工プロセスを提案できる会社は信頼できます。

 

具体例

  • 工具径や刃物の最適化で加工時間を短縮

  • 公差や形状の微調整でコストを削減

  • 測定工程を効率化し精度を安定化

 

経験豊富な技術者が提案することで、加工精度・納期・コストすべてをバランスよく最適化できます。

特に試作や中ロットの場合、加工方法の改善提案は非常に価値があります。

 

⑥ 納期遵守率と過去実績

 

納期遅れは、加工トラブルの大きな原因のひとつです。

過去の納期遵守率や実績を確認することで、安定性を把握できます。

 

  • 過去の納期遵守率は高いか

  • 多品種小ロットの経験はあるか

  • 短納期依頼に対応できる体制があるか

 

生産計画が安定し、余裕のある管理体制を持つ会社は、品質と納期の両方で信頼できます。

また、短納期や急ぎ案件に強いかどうかも確認すると安心です。

 

⑦ コミュニケーションと情報共有

 

最後に、加工会社選びで最も重要なのは、発注者とのコミュニケーション力です。

図面や指示を正確に理解し、変更やリスクに柔軟に対応できる会社は成功の可能性が高まります。

 

チェック例

  • 見積や回答が迅速か

  • 図面の意図を理解しようとしてくれるか

  • 仕様変更やリスクに柔軟か

 

情報共有がスムーズな会社は、納期・品質・コストトラブルが少なく、長期的に信頼できるパートナーになります。

特に複雑形状や高精度部品では、意思疎通の良さが品質に直結します。

 

KATAGIRI WORKSが選ばれる理由

 

KATAGIRI WORKSでは、高精度マシニング加工を安定して提供するために、次のポイントを徹底しています。

 

1. 温度管理された加工環境
精密加工では、金属の熱膨張による微細な寸法変化が品質に直結します。KATAGIRI WORKSでは、工場全体の温度・湿度を安定化させることで、季節や時間帯による加工誤差を最小限に抑えています。

 

2. 工具・治具の徹底管理
高精度加工を実現するためには、刃物の摩耗管理や治具の適切な選定・配置が不可欠です。当社では、工具寿命の管理ルールを明確化し、治具も加工内容に応じて最適化。これにより、単品から中ロット・量産まで、常に安定した加工品質を維持しています。

 

3. 三次元測定による品質保証
加工後の寸法確認には三次元測定機(CMM)を活用し、重要寸法の誤差や公差を正確に評価。必要に応じて測定レポートも提出することで、納品後のトラブルや再加工リスクを大幅に削減しています。

 

4. 試作〜量産まで一貫対応
1個の試作から中ロット・量産まで柔軟に対応。試作段階での設計変更にも迅速に対応できる体制を整えており、設計〜加工〜評価の一貫したフローで、開発スピードとコスト効率を高めています。

 

5. 設計段階からの加工提案
図面通りの加工だけでなく、加工方法の最適化やコスト削減、品質向上のための提案を積極的に実施。工具選定や加工順序の工夫、寸法・公差の最適化など、発注者の要求を満たしつつ効率化も図ります。

 

6. 見積・技術相談への迅速対応
見積や技術的な相談には迅速に対応し、発注者の意図や納期の要望を正確に反映。コミュニケーションがスムーズなため、トラブルを未然に防ぎ、長期的な信頼関係を築くことができます。

 

これらの取り組みにより、KATAGIRI WORKSは「品質・コスト・納期のバランスが取れた加工会社」として、多くの製造業・開発現場から高い評価をいただいています。

 

■ まとめ

 

マシニング加工で失敗しない会社選びは、設備・技術・環境・測定・コミュニケーションの5つを総合的に見極めることです。

7つの判断基準を押さえることで、トラブルのほとんどを防ぐことができます。

 

  1. 設備構成は依頼内容と合っているか

  2. 温度管理など環境は整備されているか

  3. 工具・治具管理は徹底されているか

  4. 測定設備と検査体制は整っているか

  5. 技術者が加工提案できるか

  6. 納期遵守率・過去実績は十分か

  7. 情報共有・コミュニケーションは迅速か

 

大阪府堺市のKATAGIRI WORKSは、

これらの基準を満たした“マシニング加工のプロフェッショナル”として、

試作から量産まで幅広く対応しています。

 

加工会社選びに迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。