はじめに

 

製造業の現場では、多種多様な金属部品が使われています。

その中でも、円筒形状や回転部品の加工には旋盤加工の技術は欠かせません。

特に「NC旋盤加工」は、プログラミングによって高精度・高効率な部品製作を可能にし、試作から量産まで幅広いニーズに応えます。

 

この記事では、大阪府堺市で金属加工を行う製造会社「KATAGIRI WORKS」の視点から、
NC旋盤加工の基礎知識、加工できる形状、他の加工方法との違い、そして発注時のポイントまで詳しく解説します。
機械設計者様や担当者様、そして経営者様が自社製品にNC旋盤加工が適しているか判断できるようになることを目的としています。

 

1. NC旋盤加工とは

 

1-1. 基本構造と仕組み

NC旋盤加工（Numerical Control Lathe）は、プログラミングによって旋盤を自動で動かす加工方法です。
手動操作の汎用旋盤では、熟練工がハンドルを回して刃物を動かしますが、NC旋盤では切削条件や加工経路をプログラムし、

自動で加工を進めます。

 

・主軸：素材を回転させる軸部分
・チャック：素材を強固に固定する装置
・刃物台（タレット）：複数の切削工具を保持し、自動で工具交換
・制御装置：NCプログラムを読み込み、機械を制御

 

この仕組みにより、精度の高い部品を効率的に生産することが可能になります。

 

1-2. 加工できる形状

NC旋盤は「回転対称形状」の加工を得意とします。代表的な形状は以下の通りです。

 

・円筒形状（シャフト、ピン、軸など）
・円錐形状（テーパーシャフト、ロール）
・溝加工（Oリング溝、スナップリング溝）
・ネジ切り（メートルねじ、管用ねじ）
・球面加工（ボールジョイント）
・段付き加工（径の異なる部分が連続する軸物）

 

特に、自動車や産業機械の回転部品などの精密部品で多く利用されます。

 

2. NC旋盤加工の強み

 

2-1. 高精度加工

NC制御により、1/1000mm単位の精度調整が実現できます。
バランスが重要な回転部品や寸法公差が厳しい精密部品でも、安定した品質で制作することが可能となります。

 

2-2. 再現性の高さ

一度プログラムを作成すれば、同じ条件・手順、そして同じ精度の加工を自動化することができるため、
何十個・何百個と量産加工しても精度のばらつきが極めて少ないのが特徴です。

そのため量産品や定期的なリピート品に向いています。

 

2-3. 短納期対応

工具交換や段取り、加工などが自動化されているため、加工時間を短縮できます。
試作1個から量産まで、比較的に短納期での納品が可能です。

 

3. 他の加工方法との違い

 

3-1. フライス加工との比較

フライス加工は素材を固定して回転する工具で切削する方法のため、平面・溝・ポケット形状の加工に適しています。
一方でNC旋盤加工は素材自体を回転させて削っていくので、円筒形状やネジ加工に最も適している加工方法です。

 

3-2. マシニング加工との比較

マシニング加工はフライス加工を自動化・多軸化した設備で、複雑形状や穴加工を強みとする加工方法です。
NC旋盤は回転部品専門ですが、複合加工機を使えば穴開けやフライス加工も同時に行える場合があります。

 

3-3. 汎用旋盤との比較

汎用旋盤は手動で操作するため、単品加工や修理、現物合わせに適しています。
NC旋盤は自動制御で量産性に優れ、精度の再現性が高いのが特徴です。

 

4. 大阪府堺市におけるNC旋盤加工のニーズ

 

堺市は大阪府内でも金属加工業が盛んな地域で、多くの製造会社が集積しています。
特に、以下のような業界からNC旋盤加工の依頼が多く寄せられます。

 

・工作機械メーカー：スピンドル部品、治具部品
・産業機械メーカー：大型シャフト、ローラー、ガイド部品
・自動車部品メーカー：ブッシュ、スペーサー、ナット
・食品機械メーカー：ローラー、回転軸、搬送用部品

 

輸送コストを抑えつつ、大小ロットや短納期案件に柔軟に対応できるのが強みです。

 

5. 発注時に押さえるべきポイント

 

5-1. 図面精度と公差

加工指示は図面に忠実に反映されます。
必要以上に厳しい公差を設定するとコストが上がるため、機能上必要な範囲での公差設定が重要です。
※公差とは、製品設計に対して許容される誤差の範囲のことです。
公差が±0.1mmの場合、100.1mmから99.9mmまでの範囲であれば、その部品は合格品です。

 

5-2. 素材の選定

素材によって切削条件や加工時間が大きく変わります。

 

・鋼材（S45C、SCM材）：強度と加工性のバランスが良い
・ステンレス（SUS304、SUS316）：耐食性が高いが加工時間がかかる
・アルミ（A5052、A6061）：軽量で加工性が良い
・樹脂（MCナイロン、POM）：軽量・低摩擦だが熱変形に注意

 

条件によって適切な素材を選定していくことが重要です。

 

5-3. ロット数と納期

事前に数量・納期・精度の優先度を共有すると、スムーズに対応できます。

難しいかもと思う条件の場合でも、まずはお気軽にご相談ください！

 

6. まとめ

 

NC旋盤加工は、高精度・高再現性を実現する円筒形状加工の主役です。

大阪府堺市には、製造会社が多く、地場だからこその迅速な対応力があります。
もし「精度の高い回転部品を作りたい」「短納期で信頼できる加工先を探している」という場合は、

大阪府堺市の製造会社に相談してみることを推奨します。

 

もちろん！

大阪府堺市にある製造会社「KATAGIRI WORKS」でも対応していますので、

まずはお気軽にご相談ください！